防犯の第一歩は小学生を見守る大人の目

日本では小学生になると社会生活の訓練の一環として子供だけで登下校するようになります。主に集団登校をする学校が多いですが、特に都会では自宅から離れた私立小学校へ通うため小さな子供が一人で満員電車に乗る様子も見られます。小学生の登下校で心配されるのは主に交通トラブルと不審者との遭遇です。交通量の多い道では横断歩道を渡るのにも危険が伴いますし、逆に車も人も少ない道では不審者に危害を加えられやすい環境となります。小学生は6年生であってもたった12歳の子供です。12歳の子供に6歳の子供を指導させ、すべての危険を避けろというのは無理な話です。保護者と学校でも工夫はされていますが、地域の目があればなお一層強い防犯力になります。小学生が安全に暮らせる町づくりは地域みんなが安全に暮らせる町づくりに繋がります。

登下校で行われている工夫と課題

小学生の通学路で横断歩道などに見守り要員が立っていることがあります。地域によって様々ですが、PTA会員が当番制で行っていたり、教員や地域ボランティア、交通指導員(ほとんどは自治体に委嘱を受ける特別地方公務員)によって行われる場合もあります。交通トラブルの予防策として、周囲の車や通行人に注意を促すことと、登校中の児童に交通ルールを指導する役割があります。この時、不審者への対応は少し力不足になりがちです。なぜなら見守りを行うボランティアは児童の母親(時には乳幼児を連れていたり妊娠中であったりする)や定年を迎えた近隣住民である場合が多いからです。子供、女性、高齢者の集まりで防犯力を上げるには、父親の参加率を上げることや見守りの人数を増やすことが望まれます。社会通念上、男性の育児参加はまだまだ難しいところがありますが、防犯意識の高い大人が大勢いると示すことは不審者への抑止力となります。

子供と地域の安全を守るために大人ができること

さらに下校時には違う問題が起きます。朝は仕事の都合がついても下校時刻の15時や16時に通学路に立てる会社員はあまりいないでしょう。小学生は学年や部活動によって下校時刻が異なり、全員が帰宅するまで通学路に人員を配置しておくのは困難です。また登校時は学校という同じ目的地へ全員で向かいますが、下校時は自宅へ近付くにつれ少人数になって行きます。きょうだいがいても高学年と低学年では下校時間が違うので1年生が一人で人通りのない道をしばらく歩く状況が発生します。そこで求められるのがいわゆる「地域の目」です。保護者や近隣住民が子供に危害を加えるおそれもある中、なるべく大勢で見守りを行うことが理想です。地域住民だけでなく通学路沿いにある企業などでも同じように「大人の目があること」をアピールできると、さらに地域での子育てと防犯に強い効果をもたらすと考えられます。